平成27年1月から、何が変わる?(相続税及び贈与税の税制改正:第1回)

平成27年1月から、何が変わる?(相続税及び贈与税の税制改正:第1回)

平成25年度の税制改正により、相続税法及び租税特別措置法の一部が改正されました。

特に、平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用される改正により、これまでは相続税の負担が生じなかったケースであっても、今後は負担の発生が予想されることが多いにあり得ることとなるので、これまで以上に事前対策などが重要になると思われます。

今回から4回にわたり、相続税と贈与税について、今年から何がどう変わるのかを解説していきますので、ポイントを押さえておきましょう。

相続税の改正

改正1 基礎控除の縮小

遺産に係る基礎控除が以下のとおり引き下げられます。

改正2 税率構造の見直し(最高税率の引上げ)

改正3 未成年者控除・障害者控除の拡充

上記の改正の中で、特に影響があると考えられるのが、「改正1 基礎控除の縮小」です。

例えば、改正前なら相続人が奥さまとお子さま 2 名の場合、相続財産が 8,000 万円以下なら相続税はかかりませんでしたが、改正により基礎控除が 4 割カットされ相続財産が 4,800 万円以下でなければ相続税が発生することになります。

財務省の試算によると、基礎控除額が4割も減少する結果、 課税対象となる割合は、改正前の 4.2%から 6%程度に増えると予想されています。

また、東京都では 13.53%まで上昇し、東京 23 区に至っては 4 人に 1 人が課税されるという試算も出ています。

次回は、基礎控除の縮小という相続税の課税強化の緩和措置と位置づけられる、小規模宅地等の特例の見直し(適用範囲の拡大)について確認したいと思います。

執筆者紹介

高野眞二

高野会計事務所
公認会計士
税理士

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